クロスケーブル、ストレートケーブルの違い、使い分け方は?
夏が過ぎたと思えば、秋の夜長を感じる前に冬が訪れました。
どうもキムキムです。最近寒いです。
今回はケーブルについて、物理レイヤの事を纏めようと思います。
物理構築の際に「クロスが無い!」「ストレートが無い!」なんてこと
有るかと思いますので参考になればと思います。
MDI(Medium-dependent interface)とは?
え?ケーブルの話じゃないのかよ!と驚かれるかと思います。
まず、ケーブル種別を理解する為には「MDI/MDI-X」という概念を知る必要があります。
中身的な部分に関しては後述の「ーーケーブルって?」項目にて説明しますが、
以下のように明確に装置ごとにMDIと呼ばれる規格が分かれています。
MDI → サーバ、ルータ、PC
MDI-X → スイッチ、ハブ、スイッチングハブ
これらの区分けを守り、MDI~MDI-Xを接続する際はストレートケーブル、
MDI~MDIを接続する場合はクロスケーブルという決まりが存在します。
つまり、対向が同MDIならクロスケーブル、別MDIならストレートケーブルとなります。
これを守らないとパケット欠損や通信遅延等、多くの弊害が発生します。
ただ、最近はAutoMDI/MDI-X対応という、「ケーブルと対向先によって自身のMDIを変化させる」
便利な機能が実装されている装置が多く出てきており、ケーブルの使い分けが必要ない環境が
多いらしいです。科学の進歩は素晴らしいです。便利ですね!
ストレートケーブルって?
ストレートケーブルは1-8ピンの全てが始端終端で真っ直ぐなケーブルです。
文字じゃ分かり難いと思いますので以下図を参考にして下さい。
上の図はMDI-XとMDIの装置をストレートケーブルにて接続した図になります。
見て頂くと分かるようにLANケーブルの8ピンの内、通信用のケーブルが4ピンありますが、送信+は受信+へ、といった風にしっかり通信が出来そうな構成ですね。
もし左右両方ともMDI-Xなら、送信同士の通信が衝突してパケットロスや通信遅延の原因となり、
受信のピンに関しては誰からも送信されない悲しいピンとなってしまいます。
その為、別MDIの装置はストレートケーブルで接続する必要があります。
クロスケーブルって?
ストレートケーブルの項目を読んだ方なら想像が出来るかとは思いますが、
クロスケーブルは以下の様交差したケーブルです。
先程のストレートケーブルを使用した場合は、同MDIで送信±が衝突していましたが、
クロスケーブルでは始端と終端でクロスするように通信線が捻れているため、
同MDIでもしっかりと送信~通信ができる形となります。
お気づきかと思いますが、別MDIでクロスケーブルを使用した場合は送信同士が衝突し合う悲しい結果となります。
以上から、同MDIはクロスケーブルで接続する必要があります。
クロス/ストレートが足りない時の対処法
ここからは余談ですが、クロス/ストレートケーブルが不足していて環境構築の時にケーブルの長さが足りない
なんて場面あるあるですよね?(よね?)
以下の対処法で何とか凌ぐ事が出来るので参考までに・・・。(推奨はしません)
クロス不足時
→クロスケーブル+JJコネクタ+ストレートケーブルで一本として使用する。
ストレート不足時
→クロスケーブル+JJコネクタ+クロスケーブルで一本として使用する。
です。
理屈的には前述で述べているようにクロスで交差させた通信をストレート延長しても始端と終端はクロスの形をしています。。
また、クロスで交差させた通信をクロスでもう一度交差させているので、始端と終端はストレートの形をしています。
経験上パケットロス等の問題は有りませんでしたが、必ず大丈夫と言える構成では有りませんので
一時しのぎにご活用下さい。
おわりに
今回は物理レイヤについて説明していきました。
物理構築をする際は始端と終端に養生テープでマーキング、事前のケーブルの確保、構成図を忠実に再現する、ケーブルを纏める事意識して作成すると綺麗な環境が構築できるかと思います。
また、ストレートかクロスか分からないときは始端と終端のピンの色を見れば、見分けられる事も有るので試してみて下さい。
それではよい年末を。