【Cisco】フローティングスタティックを簡潔に解説【Static】
秋はどこへ行ったのでしょうか?キムキムです。
暑い気温から一転激寒です。体調管理には重々気をつけていきましょう!
今回はフローティングスタティックについて簡単に解説していきます。
パッと見は意味不明で、なんとなく理解している方もいるのではないでしょうか?
少しだけ深掘りしていきましょう!
AD値について事前知識
フローティングスタティックを理解するには、AD値という概念を理解する必要があります。
とは言え本筋では無いので簡単に、「その経路の信頼度を示す値」です。
低ければ低いほど強く、高ければ高いほど経路が弱くなります。
詳細は以下記事にて纏めていますので、ご一読ください。
【NW】装置の経路選択の指標「AD値」とは??
それでは本題です。
フローティングスタティックとは
スタティックルートのAD値を変えることで、経路の優先度を変えるオプションのようなものです。
本来はAD値1の所、AD値10のスタティックルートを作ることにより、同じ宛先に対して複数の経路を保持して制御することができます。
私が知っている使い方としては、予備経路及び迂回経路に設定されることが多いです。
では、どのような設定を施されるのでしょうか?見ていきましょう。
設定例
以下のような構成があったとしましょう。(全てL3)
ST装置からCP装置を通ってGL装置に行くには、A,B,Cいずれかの装置を通過する必要があります。
この構成をスタティックのみで制御する場合、以下のような設定が考えられます。
①ip route (GL装置のIP) (mask)(AのIP) のみ
②ip route (GL装置のIP) (mask)(A,B,CのIP)
それぞれ問題点としては簡単に以下が挙げられます。
①ip route (GL装置のIP) (mask)(AのIP) のみ
→Aの装置が故障してしまった場合、通信の全断が発生する
②ip route (GL装置のIP) (mask)(A,B,CのIP)
→どれか1装置が故障しても問題は無いが、どの装置を優先して使用するかを設計者が制御出来ない。
上記を加味して、設定するとしたら以下が挙げられます。
ip route (GL装置のIP) (mask) (AのIP)
ip route (GL装置のIP) (mask) (BのIP) 10
ip route (GL装置のIP) (mask) (CのIP) 20
このように設定した場合、AのIPを優先、A装置への疎通性が無くなった時点でB装置を経由する経路が浮上してきてメインのルートとなります。
装置更改などをする際は以下のように設定変更を行えば通信を寄せることが可能となります。
ip route (GL装置のIP) (mask) (AのIP) 100
ip route (GL装置のIP) (mask) (BのIP) 10
ip route (GL装置のIP) (mask) (CのIP) 20
おわりに
今回はフローティングスタティックを纏めてみましたが、正直Staticだけで構築されるネットワーク構成はほぼ無いのかなぁと思っております。
迂回する構成はBGPやHSRPを用いて経路の冗長や迂回、重り付けをすることが多いと思います。
BGPなどのプロトコルについては以下記事にてざっくり纏めておりますので、併せてどうぞ
それでは!